2013年8月27日火曜日

私の「反省と後悔」

まちづくり

きのう(2013.8.26)の読売新聞の記事です。
私は、「富岡まちづくりワークショップ2013」に参加させていただいていますが、高齢者に対するプログラムがないこと(※1)に漠然とではありますが、すこし疑問に思っていました。
  ※1 あるのかもしれませんが、私の能力では、それを理解することができません。

このワークショップは、
世界遺産登録をめざす富岡製糸場を盛り上げる、そういった視点でのまちづくり方策ということで、あれもこれも取り上げる・・・ということではないのだろうけれど、
と自分なりに考えていたのですが、やはり、
 高齢者への対応をよく考えないまちづくりがあり得るのだろうか、
と思うようになり、ある時期からですが、
 こういうことで、よいのだろうか・・・
と感じていました。

そんな思いもあって、このブログで、

  みやのかわ商店街(秩父市) 
  「商店街再生の罠-売りたいモノから、顧客がしたいコトへ」(久繁哲之介著・ちくま新書)

を投稿させていただいたり、

富岡製糸場が世界遺産に登録されるかどうかはわかりませんが、富岡製糸場に関連してのまちづくりといったものは、これからの富岡にどのような効果(マイナス面を含めて)をもたらすのだろうか・・・

  世界遺産登録は、地域を活性化させるか 
http://geogunma.blogspot.jp/2013/08/blog-post_6.html
  とても気になっていること 
http://geogunma.blogspot.jp/2013/07/blog-post_6.html
  絹産業遺産群とは・・・ 

といったこともブログでつらつら書き綴らせていただきました。

秩父市のみやのかわ商店街の活動の紹介では、出張商店街や富山の置き薬商法をまねたという高齢者などへの対応のすばらしさに感心しましたが、
この読売新聞の記事では、日本郵便が高齢者に生活必需品を定期的に自宅に配達するサービス(画像の)も行うことにすると伝えています。

ワークショップでは、
 〇 私たちがしたいこと
 〇 社会が求めていること
 〇 私たちができること
を考え、このみっつの接点で立案する企画がもっともよい
というコーディネーターの指導を受けて、いくつかのチームをつくり、さまざまなアイデアを出し、つぎの「まちづくりビジョン」ができました。

まちづくりビジョンは、「5万人がつくる!笑顔いきあうまち 富岡」として、
 1 「WE♥富岡」なまち
 2 まちなかが楽しいまち
 3 であえる、つどえる、ふれあえるまち
 4 自然・里山・農があるまち
 5 文化かおるクリエイティブなまち
といった項目がたてられ、この項目ごとにそれぞれの〝目標〟が掲げられています。

私は、情報発信が求められているのではないかと考え、富岡市に関することを動画にまとめ、それをYouTubeに投稿したらどうかという提案などをさせていただきました。

いま、私の提案が
 富岡市の人々に求められていることなのだろうか・・・
と思うようになりました。

なんと、とんちんかんなことを提案していたのだろうかと・・・いま、反省と後悔をしているところです。
いま、富岡のまちづくりにおいても、もっとも求められていることは、
 高齢者の方々への対応ではないだろうか、と・・・

まちづくりビジョンの「5万人がつくる!笑顔いきあうまち 富岡」の
 3 であえる、つどえる、ふれあえるまち
のなかに、
 ・お年寄りがイキイキしているまち
というのがあるのですが、
この〝目標〟をどのように達成するのかといった具体的な実行策の案を考えられなかった自分をいま反省しているところです。

日本郵便の場合、全国に張り巡らしたネットワークをもとにして、じょうずに事業活動を展開すれば、多くの顧客を獲得することができるのではないかと思います。

しかし、それで顧客が満足するでしょうか・・・

日本郵便の事業化は、みやのかわ商店街の出張商店街のようすがNHKテレビで紹介されましたが、品定めをして、買い物をするという行為への喜びが得られないことにならないでしょうか。

足腰が不自由で外出がままならないという方であっても、出張のお店が近所に来れば、出かけて買い物をしたい、そのときに近所の方々や店の人と会話を楽しみたい、と思うのではないでしょうか。

これから日本郵便がどのように事業を展開するかはわかりませんが、全国一律の対応マニュアルを作成して、公平・公正な顧客対応を図っていくと思うのです。

なぜなら、不公平があっては、日本郵便として、たいへん困るからです。

たとえば・・・
 Aさん宅に郵便局員が品物を届けたとき、Aさん宅では1時間以上も話し込んでいた、
にもかわらず、Aさん宅と同じ地区の
 Bさん宅では、Bさんが大きくなった孫から届いた手紙、写真を局員に見せて、ゆっくり話しをしたいと思って、品物の到着を心待ちにしていたのに、局員は品物を置いて、すぐに帰っていってしまった・・・
といった対応をしたとすれば、
Aさん宅で話していた内容以前の問題-Aさん宅では、ゆうパックの出し方などの相談をされていたのかもしれませんが-として、Bさんの気持ちは、あまりよくないのではないか・・・

といった事態を避けるために、日本郵便としては、業務に関連しての話題はよいが、世間話や孫の話題での長居をしてはならない、といったマニュアルを作成するのではないでしょうか。

私は、その人、その人が望むものに対して、きめ細かい対応といった面で、日本郵便がどのように事業を展開していくだろうか、ということにとても関心があります。

日本郵便の事業が円滑に進めば、地方の商店街は、大きな打撃を受けることが必定だからです。

いま、高齢者や共働きの世帯を中心に、食材等の宅配サービスが普及し、さらに日本郵便が高齢者サービスを始めれば、買い物目的での外出が大きく減少すると考えられるからです。

私が知り合った南牧村のお年寄りは、定期的な通院のとき、
① 近所の人からの買い物を頼まれ、それらの買い物をする。
② スーパーで食材を購入する。
③ そのときの減り具合で、愛車(もはや、杖がわり)である軽トラに給油する。
④ 冬であれば、灯油を購入する。
⑤ 1回/2ヶ月に散髪する。
⑥ 下仁田の食堂で、お昼に好物のかつ丼を食べる。これは、1回/月だけ。
といった行動をしていますが、この方は通院といったイベントがなければ、下仁田や富岡に出かけることがありません。

「すくない年金での生活は、たびたび出かけられない、これが限界だ」とお聞きしたことがありますが、おそらくそのとおりだと思います。

この方は、数年前に奥さまがお亡くなりになり、ひとり暮らしをされているのですが、
  「誰とも話していない日が多いので、ときにはイノシシとでも話してみたいと思うよ」
と冗談まじりに話されたこともありました。

きょうも読売新聞の第一面には、高齢者関連の記事-「認知症に優しい街」推進-が掲載されていますが、ひとり暮らしのお年寄りをはじめ、外出などの行動が不自由なお年寄りなどに対して、誰もがやさしく接し、
 ・お年寄りがイキイキしているまち
を最優先させたまちづくりを考えるべきでなかったかと、
その考えにいたらず、とんちんかんなことを考えていた私をとても恥ずかしく思っています。

いまなら・・・
 お年寄り相手の悪徳商法の人に間違われないよう、あらかじめ地区の区長さんや組長さんを通じて、地区に周知しておいていただいたうえで、
 チームのメンバーが「スマイル 富岡」と染め抜いたジャンパーを着て、
 「お話をお聞きし隊」という幟を翻しながら各地区をチームが巡回する
のはどうか、といった提案をするかもしれません。

ひたすらお年寄りのお話しをお聞かせいただく、ただそれだけ
といったシンプルな活動もまちづくりの活動のひとつではないのだろうか・・・

※ 困ったことの相談については、民生・児童保護委員さんがおられますので、お孫さん自慢とか若いときの思い出などをお聞かせいただく活動を想定しています。

 「お富ちゃんラジオ体操」の動画を作成し、YouTubeに投稿しようと考えていたのですが、
このことが
 真に富岡市の人々に求められていることなのだろうか・・・

いまの富岡における状況をよく考えず、こんな提案をしてしまって・・・(※2)

と、今更でありますが、私の能力不足と思慮の足りなさを痛感しております。

 ※2 高齢者の対応をはじめ、これからの富岡市民-いまの青少年-が住みよいと感じるまちづくりへの配慮も必要なことでしょう。また、富岡市の場合、高齢者対策のほか、富岡製糸場が世界遺産に登録されなくても、富岡製糸場を保存するためには、今後も多額の予算が必要となります。
 こうした将来の富岡市を想定したうえで、そのときに発生するであろう財政負担なども考慮して、まちづくりとはどうあるべきかを考えるべきでなかったか・・・そんな思いがしています。

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