2017年11月22日水曜日

二宮金次郎像:富岡市立黒岩小学校

佐藤茂助翁:椚石(くぬぎいし)でつくられた金次郎像

きのうのブログ(↓)

豊栄石(ほうえいいし)  青木石材 (群馬県南牧村)

で紹介した椚石については、有名な建築物に利用されているほか、二宮金次郎像にも使われています。
富岡市立黒岩小学校の二宮金次郎像も椚石でつくられています。
とてもきれいなといいますか、たいへんかわいく、すばらしい金次郎像です。
 見づらいかもしれませんが、台石には、
  皇紀二千六百年記念
   寄贈 佐藤 茂助
と刻まれています。
実は、私は佐藤茂助翁という人物を知らず、青木石材の青木清二さんに教えていただき、佐藤茂助翁の胸像碑を見に行き、その銘文を読んで、たいへん驚いてしまい、もしかして佐藤茂助翁が黒岩小学校に二宮金次郎像を寄贈したのではないかと思い、黒岩小学校の先生にお断りをしたうえで、二宮金次郎像を見せていただいて、佐藤茂助翁が寄贈した二宮金次郎像であったことを〝発見〟したというわけです。
 こちらも見づらいと思いますので、旧字等を適宜変えて、銘文を紹介します。
 
  佐藤茂助翁は明治十一年四月群馬県北甘楽郡黒岩村
 に生れ同三十二年志を立て石材工業界に入り斯業の
 指導開発に一身を献げ或は機械的操作の工夫に或は
 優良職工の養成に翁独特の創造力と義侠心を発揮
 せるのみならず更に建築用材として現今帝都に重き
 をなせるものにして翁の山谷を跋渉して苦心踏査の
 結果発見せられたるもの枚挙に遑あらず
 東宮御所・横浜税関・帝室博物館・大蔵省新庁舎等多数の
 模範的石造建築物にして翁の関係して心血を注げる
 もの少なからず茲に翁の還暦を迎うるに方り親友知
 己並にその薫陶を受けたる者相図り壽像を建設して
 以て謝恩の意を表するものなり
  昭和十三年四月 建之
   県会議員 田村 静明 書之

東宮御所・横浜税関・帝室博物館・大蔵省新庁舎等の部分については、
銘文には・がありませんが、読みやすいようにと思って、本多が・を入れました。
佐藤茂助翁の胸像碑がある大日公園の門柱には、椚石が使われています。
出身地である黒岩の小学校に寄贈した二宮金次郎像をはじめ、公園の門柱にも椚石を使っていることから考えて、佐藤茂助翁が椚石を気に入っていたことが想像されます。

椚石を調べていって、二宮金次郎像、そして石材工業界で活躍された佐藤茂助翁につながっていきました。
ただ、残念なことは、佐藤茂助翁に関して、細かなことがわからないことです。
佐藤茂助翁の人物像をはじめ、東宮御所・横浜税関・帝室博物館・大蔵省新庁舎等、翁が手がけた多数の石造建築物について、石材の調達先、建造物での用途などがわからないものかと考えています。
情報を寄せていただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。


    お願い 【二宮金次郎像の見学について
 見学する際は、
必ず学校管理者の許可を受けてください。

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